結婚した相手の母が作ったインスタントラーメン。
息子のために作った物です。
とにかく自分の親が大切な人で、
帰省の時は一刻も早くの到着を心掛けていました。
片道600キロを私と交代で運転します。
サービスエリアの休憩も最小限です。
10時間くらいかかる事はざらでした。
「疲れた。事故起こす。」
と言って、カーブの多い一車線道路は
私に運転させました。
娘も乗せているし事故が怖くて運転を代わり
半分以上は私が運転していました。
途中で早めの夕食は食べたものの
到着は遅くなった時の事、
空腹でもありましたが疲れでいっぱいの私でした。
最後にお風呂に入り
簡単に掃除をして出てきたら、
義母が息子にだけインスタントラーメンを作っていました。
夕食が早かったと聞いて、
作ったのだと思います。
私や娘には声すらかけませんでした。
息子にだけ、です。
私が通りかかったら、
バツが悪そうにしていましたが、
不気味な笑みを浮かべていました。
私は実の母と相性が悪かったのですが
そんな母だってそういう事で分け隔てはしませんでした。
当時私は父が自死した直後でした。
母もその一年前に亡くなっていました。
義父母の事も大切にしていたつもりだったので、
そんな些細な事でしたが、
とても虚しい気持ちになりました。
娘と持参していたお菓子で空腹を満たしました。
色んな事がありましたが、
忘れない光景です。
些細な、そして寂しい記憶。
縁が切れて本当に良かったと思います。
※このカテゴリーは過去の話から順に綴っています。