日常生活でも悩みや不安は尽きない。
経済的な不安。
将来の不安。
日々の人間関係のちょっとした悩み。
これらのどんな悩みも健康の悩みが出来てしまうと吹っ飛び、そして些細な事となる。
健康でなくなる事は、何より辛い悩み。
口の中を間違えて噛んでも、指先を少し火傷しても、足の小指を椅子にぶつけても、身体の何処かが痛いと憂鬱になる。
それまでの自分の身体の当り前の動きすら愛おしい。
私の円形脱毛症は最初は一箇所だった。
後頭部の下の方だった。
初めての症状に、自分の身体のその異変が受け入れられず、かなりのショックで落ち込んだ。
頭が真っ白になった。
他人が当たり前に髪をなびかせていたり、結んでいたり、かき上げている事さえ、幸せに見えた。
何故、私だけ?
みんなが普通に髪の毛生えているのに、私だけ抜け毛がひどいの?
突然、毛根つるつるになっているの?
そして、程なくして多発性円形脱毛症になった。
一揆に五か所以上に増えた。
薬の塗る場所も併せて増えた。
頭のあちこちの毛を持ち上げては薬を塗った。
せめて一つのままだったら、と思った。
円形脱毛症になった最初の頃の方がまだ幸せと感じたのだ。
多発性よりずっとマシだと。
でも多発性といっても全て正面からは見えない部分だった。
今、正面の部分、つまり前髪にも脱毛部分が出来てしまった。
箇所は多くても、正面から見えない時はまだ幸せだった、と思った。
悩みや不安は、次にそれよりも大きいものが現れると前のものは幸せに変わる。
正直、泣きたいくらい悲しいけど、考え方次第だ!
まだ、前髪はある。
全部無くなった訳ではない。
全部無くなってしまう場合もあるのだから、それよりはまだ幸せ。
私の明日を悩んでばかりの日にしたくない。
朝、起きたら、その日の幸せを見つける事を考えたい。
それに何より命に関わる病気ではない。
治る可能性が高いのだ。
世の中には、病で命と向き合っている方もいる。
私も幼少の頃、心臓の手術をしても何とか生きてきたんだから、このくらい乗り越えられる!
今、こうして身体の何処かに激痛があるわけではなく、ご飯も美味しく食べられている自分の生活に感謝しよう。
強がっても前向きになろう。