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大雨の中の過呼吸

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日常

ムシムシとした雨の一日でした。

天気予報ほど大荒れではなかったのでホッとしました。

私は豪風雨がトラウマです。

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もう四半世紀以上前の事になりますが

私が高校生の頃。

最寄り駅まで実家は徒歩30分くらいかかる所にありました。

天気の良い日は自転車で最寄り駅まで行き、

雨の日は駅まで徒歩でした。

そこから電車とバスを乗り継いで学校まで1時間30分くらいかかりました。

ある日の帰宅時、

自宅の最寄り駅に到着したら

雲行きが悪かったのですが

その日は自転車だったので自転車に乗り

帰路につきました。

途中でいきなり雷が鳴り始め

もの凄い雨が降り始めました。

今でいうゲリラ豪雨です。

前が見えなくなり自転車を降りましたが

雨宿りするような場所はなく

必死に自転車を押して歩いていたら

あまりの激しい風雨に

息が出来なくなりました。

肩を大きく揺らしながら息をしようとしても苦しいのです。

意識もおかしくなり始めました。

その時、少し向こうのお宅の女性が庭の洗濯物を取り込んていました。

声を出そうにも出なかったのですが

その女性が私に気付いて

私に向かって大きく手を振り

呼び寄せてくれました。

どうにか辿り着いた私は声も出ませんでしたが、

女性は私を抱きかかえびしょびしょの私を家の中へ入れてくれました。

激しく呼吸をする私にバスタオルをかけてさすってくれ

ようやく震えが止まり始めました。

そして温かいお茶を入れてくれました。

我に返った私は所詮高校生。

気の利いた事も言えず

ただただお礼を繰り返していました。

その後ご主人が帰宅しました。

雨は小降りになったものの止んでなく

ご主人が私を車で送ってくれると言ってくれました。

申し訳ない気持ちと恥ずかしさで遠慮する私を気にせず

車の準備をしてくれました。

自宅まで着き

家に親がいると言ったのですが

私がたくさんお礼を言ってくれたからいい、

とお二人は私を降ろして帰ってしまいました。

家にいた母に興奮して状況を話しましたが、

生返事が返ってくるだけでした。

翌日

お小遣いでケーキを買って

お礼に伺いました。

「いつでも遊びにいらっしゃい。」

と優しく言ってくれました。

それ以来

暴風雨が怖くて仕方なくなりましたが

そのご夫妻の優しい思い出も蘇ります。

結局その後はお会いすることもありませんでした。

でも、一生御恩は忘れません。

思い出すたびに

お二人に幸あれ、と心から思います。

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