自死家族の十字架。

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自死遺族

私の父は自ら命を絶っています。

乗り越えられないような悲しみ、苦しみ、絶望は

時として人生に生じます。

それでも、自ら「死」という選択を身内がしてしまうと

残された者はその苦しみ悲しみを抱えて人生を過ごす事になります。

自分の存在が支えにならなかったという事実。

自分への肯定感を失くしていきます。

そんな中、悲しみを癒すのはやはり「時間」でした。

でも、これもかなり必要で

私の残りの人生では足りないようです。

頭の中で父の事を考える割合は時と共に確かに減ってはきました。

でも、あの日から私は心から笑えなくなりました。

あの日から笑ってはいけない人生になりました。

それ故に、人前ではいつもニコニコしています。

心の闇を他人に見抜かれないように。

困難にぶつかると

幸せには暮らしてはいけないから仕方ない

と思うようになりました。

思うのです。

人生を断つほどの苦しみを抱えた人を救えなかった身内は

こうして苦しみながら過ごす事が

せめてもの寄り添いなのかな、と。

本人の絶望は計り知れないのだから…

これが残された身内のつとめなのかな、と。

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