中年男の真夜中の逃避行

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熟年離婚

夫は

「別れ話のために会う。」

「別れるのには時間が掛かる。」

と言い訳をしていた。

黙認する訳にはいかない。

でも

止めれば止めるほど

嬉しそうな様子も見苦しかった。

別に嫉妬はないから

勘違いさせるのも

私としては納得いかなかった。

自宅で普通に食事をして

お風呂に入って

一日が終わるはずのある日。

深夜に玄関が閉まる音。

見に行くと

車に乗って出て行った。

電話をすると

しっかり出た。

「何しているの?」

という私の問いかけに

「待ってて。」

と意味深に答える。

帰るよう促しても

嬉しそうにしているばかり。

埒が明かなく切電。

この人

どうしたらいいのだろう…

その後も電話しても埒が明かない。

そういう日が何度か続いた。

振り回された私は不眠となった。

仕事をしている時が唯一

心が平穏だった。

そんなある日

いざという時の証拠を掴む。

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